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BOOM INSECT · Digital Catalogue

標本ラベルメーカー

A utility for entomological specimen labels

Doc. SLM-T01

テクノロジー

Commentarii de arte digitali

小さな標本ラベルを、画面の中の文字から寸法を持つ紙面へ変えるまで。本アプリを支えるPDF、印刷、配置の仕組みを、五つの短い読み物に分けて紹介します。

検証方針: PDFと印刷の一般仕様は、AdobeとAppleの公式資料で確認しています。本アプリ固有の数値と動作は、2026年6月21日時点のソースコードで確認しています。プリンタや共有先によって変わる処理は、共通仕様と区別して記載します。

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読みたい項目を選択

各項目を選ぶと、その読み物だけを表示します。URLに選択項目が残るため、特定の記事を直接共有できます。

PDF 01

PDFは「紙面の設計図」

PDFは、ページの見た目を環境をまたいで受け渡すための文書形式です。ページの大きさ、文字、線、図形などを一つのファイルへ記録できます。

本アプリはA4縦の1ページを作り、指定寸法のラベルを配置します。画面を撮影して貼り付けるのではなく、PDFの描画領域へ文字と枠線を直接描きます。

Reference: Adobe PDF ReferenceApple UIGraphicsPDFRenderer

PDF 02

端末を離れても寸法を伝えられる

本アプリはページとラベルの寸法をポイントへ変換します。ポイントはPDFの座標単位です。初期状態では72ポイントが1インチに相当します。

PDFはA4のページ寸法と、ページ内の配置関係を保持します。ただし、印刷側が拡大や縮小を行うと、紙に出る寸法は変わります。

Reference: Adobe Coordinate Systems

Image 01

画像は画素、PDFは描画命令

PNGやJPEGなどの画像は、画素の集まりです。大きく引き伸ばすと、輪郭が粗く見えることがあります。

本アプリは、ラベル全体を一枚の画像に変換してPDFへ貼り付けてはいません。文字と枠線をPDFの描画領域へ直接描くため、画面写真を拡大する場合とは性質が異なります。

Image 02

どちらが優れているかではなく、役割が違う

画像とPDFは用途が異なります。写真には画像形式が適しています。寸法を持つ紙面や文字、細い線にはPDFが適しています。

PDFの中に画像を置くこともできます。その場合、画像部分の精細さは元の画素数と配置寸法に左右されます。現在の本アプリは、ラベル本文へ写真やスキャン画像を埋め込んでいません。

Resolution 01

PDFそのものに一律のDPIはない

本アプリはA4縦の210 × 297 mmをポイントへ変換します。作成するページは約595 × 842 ptです。ラベルの幅と高さも、mmからポイントへ変換します。

ページ全体を一枚の画像として保存していないため、PDF全体に一律の「300 DPI」や「600 DPI」を設定していません。

Reference: Adobe Coordinate Systems、アプリ内のA4・mm変換定数

Resolution 02

DPIは出力時に具体化する

  • 画面表示: PDF表示機能が、画面密度と表示倍率に応じて画面用の画素へ変換します。
  • 印刷: 印刷システムとプリンタが、機器と設定に応じて印刷用の点へ変換します。
  • 画像への変換: PNGやJPEGへ書き出す時点で、指定したDPIまたは縦横の画素数に従って画像化されます。

A4全体を画像化する目安は、300 DPIで約2480 × 3508 pxです。600 DPIでは約4961 × 7016 pxです。これらは画像化するときの画素数であり、PDFに固定された画素数ではありません。

Print 01

アプリから紙までの情報の流れ

本アプリは、共有メニューへPDFファイルを渡します。そこからAirPrintを選ぶ場合は、iOSの印刷機能が印刷ジョブを管理します。他の印刷アプリへ渡すこともできます。

PDFのページは、印刷の途中で機器が出力できる点の集まりへ変換されます。この処理をどこで、どの設定で行うかは、印刷アプリ、通信方式、プリンタやコピー機によって異なります。本アプリは印字装置を直接制御しません。

Reference: Apple AirPrintApple UIPrintInteractionController

Print 02

PDFが伝える情報、伝えない情報

PDFはA4のページ寸法、ラベルの位置、文字、枠線を保持します。用紙トレイ、両面印刷、濃度、機器固有の補正は、印刷画面または機器側で決まります。コピー機が、学名や採集地を個別の項目として受け取るわけではありません。

寸法を優先する場合はA4を選び、拡大縮小を行わない設定を選んでください。設定名は印刷アプリや機器によって異なります。「実際のサイズ」または「100%」と表示される場合があります。試し印刷後にラベルを実測してください。

Layout 01

mmをポイントへ変換して並べる

本アプリでは1 mmを2.8346 ptとして扱い、A4の210 × 297 mmをPDF座標へ変換します。紙面の四辺には10 mmの余白を設け、その内側をセルの配置領域とします。各セルの幅と高さも、入力されたmmからポイントへ変換されます。

配置は入力順に左から右へ進みます。右端の余白を越えるセルは次の行の左端へ送り、行の高さには、その行で最も背の高いセルを使います。異なる高さのラベルが混在しても、次の行と重ならないための仕組みです。

Layout 02

種類ごとのまとまりと1ページの上限

データラベル、同定ラベルなどラベルの種類が変わる箇所では、新しい行へ移り、まとまりの間へ4 mmの間隔を設けます。同じ種類のセル同士には追加のすき間を設けず、枠線を隣接させて配置します。

下端の10 mm余白を越えるセルに到達すると、そこで配置を終了します。本アプリは一つのPDFへA4の1ページだけを作るため、自動的に2ページ目を追加しません。収まらない場合は、プレビューで枚数や寸法を調整します。

Layout 03

プレビューと保存PDFを同じ計算へ寄せる

A4プレビューは、保存時と同じPDF描画処理とセル配置計算から文書を作り、PDF表示機能で画面へ表示します。セルをタップした位置の判定にも同じ配置結果を使います。画面上の配置、タップ対象、保存PDFの座標が別々の計算でずれないようにするためです。

各セルでは指定位置に枠線を描き、内側へわずかな余白を取って文字を配置します。ただし、文字量がセル寸法を超えれば切れる可能性があります。配置計算が収まりを保証するのはセルの外形であり、本文の可読性はプレビューと警告を見て調整する必要があります。